Futon Side Stories 2
〜楯の姫とさすらい人〜
そんなある日、馬の司の国へ旅人がやってきました。
「ミスラン=ディア!灰色の放浪者!
ようこそ、馬の司の国へ!お待ちしていました!」
「おう、クミコ姫。大きくなったじゃあねぇか。
相変わらずのじゃじゃ馬っぷり、噂は聞いてるぜ。」
「やだなぁ。そんなことありませんよ。
さ、館へ参りましょう。取って置きのお酒があるんです。」
「ほう、そうかい。」
「ええ、今夜は私も腕を振るいますから、楽しみにしていてください。」
「え?・・・ああ。まあ、そいつぁ楽しみだ(汗)。」
被害者続出の『素晴らしい』料理を知っている老人は、巧みに動揺を押し隠すのでした。
この老人は、灰色の放浪者と呼ばれる魔法使いです。
名をリュウミノン・ミスラン=ディア・モルダンといい、
世界中を旅して回っているのです。
彼はまた、力の指輪・偉大なるダイモンの持ち主でもありました。
焔の力を持つこの指輪には、真っ赤な石が嵌っています。
この指輪の、数えて四代目に当たる継承者を、彼はずっと捜しているのでした。
馬の司の国には、その暖かい気質を気に入って度々訪れては
様々な手助けをしてくれています。
親のないクミコに取っては親であり教師であり何物にも代え難い大切な人なのでした。
「親父っさん、いらっしゃいやし!」
黄金館につくと、キョウォン王自らが出迎えます。
「やあ、キョウ。邪魔するぜぃ。」
「おや、お連れさんですかぃ?」
ミスラン=ディアは、一人の若者を伴っていました。
涼やかな黒い瞳のすらりとした長身のその人物の額はあふれる知性に輝き、
旅人の粗末な服装ながら王者の威厳を振りまいているのでした。
「ああ、紹介しておこう。さすらい人の王トモヤーン・ソロン=ギル・シノハラム殿だ。
ちょいとした縁があってなぁ、いいって言ってるのに俺の護衛をかって出てくれてな。」
トモヤーンは、北方の地でトロールの群れに襲われて難儀している所を、
ミスラン=ディアの魔法によって助けられたのです。
それを、嬉しく思ったトモヤーンは、
せめてもの恩返しとしてミスラン=ディアのお供をかって出たのでした。
「はじめまして。キョウォン陛下に拝謁できまして恐悦至極です。」
「おう、ゆっくりしていってくんな。・・・妹もお前ぇさんが気に入ったみてえだぜ。」
クミコは、先程からぽーっとトモヤーンを見つめたまま、
真っ赤になって言葉もでません。
「かっこいい・・・////」
たくさんの燭台できらきらと照らされた城の大広間の大テーブルに
様々なご馳走、この日のためにわざわざ開けられた「恩恵の年」の葡萄酒、
出来立ての麦酒、それにたくさんの果物が並んでいます。
客人を迎えての歓迎の宴が開かれているのです。
久美子が腕を振るったシチューも並んでいますが、食べる人は余りいません。
小姓のてつとミノルがいつものように押し付けられて困っていました。
トモヤーンは城の人たちに交じってそんなクミコを微笑ましく見守っておりました。
「時に、キョウ。ここにはエルフの気配がするな。」
華やかな宴の席がたけなわとなった頃、ミスラン=ディアが口を開きました。
「へい、お気づきでしたか・・・実は、先日クミコの奴が山でエルフを助けたそうで、
怪我ぁしてたんで、ちょいとうちで面倒を見てやったんすよ。
それ以来、クミコに惚れたとか言ってしょっちゅう来るんでさぁ。」
「ほう、珍しいこともあるもんだな。」
「人聞きの悪いこと言わないでください!お兄様!////」
「しかし、それは大変なことですね。」
話を聞いていたトモヤーンが口を挟みましt
†††
「おいっ。」
「あ、慎。おかえり。早かったな。(ちゅ)」
「ん、ただいま。じゃなくて、なんだよっそれっ。」
「ふっふっふ、この間の続きだっ。
今度こそ面白くしてやろうと思って登場人物を増やしてみたんだ。」
「それはいいけど、なんで篠原が出てくんだよっ。」
「えー、だってイケメンなんて他に知らないしさ。
やっぱり王女が惚れるんだからそれなりじゃあないと。」
「王女にはエルフの王子がいるんだろっ。」
「やっぱさ、すんなり行くより一波乱あった方が面白いじゃないか。」
「そんなことないだろ!それに、なんで篠原なんだよっ。」
「あーっ、お前、妬いてやがるなぁ。ぷっくっく。」
「とにかくヤメロ。篠原だけは駄目だ。」
「ベーだ。せっかく書いたんだから、だーめ!」
「駄目(怒)」
「だーめ。」
「駄目(怒)」
「だーめ。」
------
またもくだらない展開ですみません。
エルフのヘタレ王子と男前の楯の姫が気に入ってしまって
また書いてしまいました(笑)。
段々お話が混乱してきました。
この話、収集つける気あるんでしょうか(笑)
続きがあるかどうかは、皆様の暖かいご支援に掛かっております。
2009.4.29
双極子