オマケ


カーテンがさっと開けられて、眩しい日差しが差し込んで来た。

昨夜の雨はもう上がったらしい。

「おーい、いいお天気だぞー。起きろよ!」

「・・・んー・・・」

「ほーら!起きろってばー!」

「眠い・・・」

「若いくせに、なーに言ってんだよ。」

「・・・お前は元気だな。」

「おぅ!朝だからなっ!」

「そりゃ、よかった・・・」

「こら、寝るな!」

「うー・・」

ベッドの縁に腰掛けた久美子が、俺の顔を覗き込みながら言った。

「・・・ありがとな。」

「ん?」

「おかげで元気出た・・」

昨日とは別人のように晴れ晴れとした久美子の顔が見えた。

笑顔は艶やかで元気一杯、腎虚気味の俺とは対照的だ。

「・・・って」

「ん?」

「俺の精を吸い取りやがって。」

「人を妖怪みたいな言い方すんな////」

「と言うわけで、オヤスミナサイ。」

「こらこら、待てって。起きるんだ!」

どかっと掛布の上に飛び乗ってぽんぽん弾みやがった。

「イッテー、んなところに乗るな。寝かせろ・・うわっ。」

「どわっ。くすぐったい!」

「うわわ、そこで暴れんな・・ん・・ちゅ。」

「ぎゃっ。」

「なんちゅー声を。」

「えい!」

「ふぎゃっ。」

「お前だって。ぎゃはははは。はうっ。」

「ぷぷっ。」

しばらく戯れ合っているうちに段々目が覚めて来た。

「起きて朝飯喰おーぜ。」

「んー。」

「ほら、しっかりしろ!いい天気だぞ、見てみろよ。」

「ホントだな。」

首を回して見上げると、窓からからりと晴れた青空が見えた。

「「飯喰ったらどこか出かけてみるか。」」

ハモってしまって思わず顔を見合わせて同時に吹き出す。

嬉しそうに笑う久美子を見て、だるいけど頑張るかって気になってきた。


やまない雨はない。

今日は明るい日差しの下、ふたりで楽しもうか。

再び、雨が降る前に・・・




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ここまでお付き合いいただきありがとうございます。


ぎゅっとしてもらうのって癒されますよね、と言うことを書いたSSですが、

書き上がってみたらそれだけでは満たされない部分もあるのでは

と思って2を書きました。アダルト無しのお話を書こうと思ってたのに

なぜかこういう事に・・・


おつきあいを始めてだいぶ経つけどまだ一年未満、って設定のつもりです。


双極子


2009.3.12     投稿

2010.5.7       UP